サポート紹介&利用者の声
SUPPORT 2025.09.24
~親を頼れないすべての子どもが笑顔で暮らせる社会へ~
特定非営利活動法人ブリッジフォースマイル
近しい境遇の仲間と出会ったり、ボランティアや専門のスタッフたちと一緒に過ごしたりすることで、少しでも心が軽くなるような、そんな雰囲気を大切にしています。
B4S PORT あきばの特長のひとつが食事の提供です。希望する子みんなで一緒に食事を作って食べるというのものです。
私たちが無理に背中を押すのではなく、ここでのサポートをきっかけに自ら一歩前に出てみようとしている姿を見ると、格段の喜びを感じますね。みんな、いろんなステージがあるので、仕事の面はもちろんですが、メンタル不調から一歩前に出る、ということだって、すごいことです。
特定非営利活動法人ブリッジフォースマイル 東京事務局 鈴木 隆太さん
B4S PORT あきばはどういうところ?
B4S PORT は、「時に楽しみ、時にひと休みすることで、明日に向かうためのエネルギーを養う港のような存在」になることを願って開設されました。
主観的な生きづらさに寄り添いながら、自分らしさの創造・探求・発見をできる居場所であることを目指して日々運営しています。
近しい境遇の仲間と出会ったり、ボランティアや専門のスタッフたちと一緒に過ごしたりすることで、少しでも心が軽くなるような、そんな雰囲気を大切にしています。
具体的な相談をしたい場合には、専門の担当者に個別に相談することもできます。行政窓口での手続に同行したり、支援計画を立てて課題の解決を図ったり、必要に応じて様々なサポートを提供しています。
B4S PORT あきばはどんな方が利用していますか。

B4S PORT あきばは、中学生以上の若者で親を頼れない方を対象としています。ケアリーバーと呼ばれる児童相談所等に保護された経験がある人だけでなく、親から虐待を受けつつも支援につながることができないまま大人になってしまった人たちも含めて、孤立を防ぎ、安心して過ごせるような支援を提供しています。
現在、家庭で生活をしていても親御さんとの関係で生きづらさを感じている方は、気軽に利用して頂きたいです。
思い思いに過ごす、みんなで食卓を囲む

B4S PORT あきばではみなさん思い思いに過ごしています。おしゃべりしたり、読書をしたり、ダーツやゲームを楽しんだり、多様な過ごし方ができます。
フリーWi-Fiも完備していて、タブレットの貸出も行っているので、動画鑑賞やオンラインゲームもできますし、タイピングの練習をする子もいます。また、自分で持ち込んだスマホを充電することもできます。
B4S PORT あきばの特長のひとつが食事の提供です。希望する子みんなで一緒に食事を作って食べるというのものです。
利用当日の16時までにLINEで予約をすることで食べることができます。1食あたりひとり300円がかかりますが、初めての方には無料で提供しています。
ボランティアやスタッフの出身地の郷土料理を食べる「郷土料理フェア」というイベントもあります。これまでに熊本の太平燕(タイピーエン)や山口県の「瓦そば」、東京都大田区の羽根つき餃子など、様々な料理をつくって食べました。
食事の提供のほかにも、居場所に寄付された日用品の配布もあるので、楽しみながら節約にもなると喜んでいただいていますね。
(写真はブリッジフォースマイル提供)
食事をつくる過程も貴重な時間

普段の食事では、みんなでメニューを決めるのですが、それぞれ好みや食べたい料理が異なるので、合意をとるまでがまず大変です。ただ、B4S PORT あきばでは話し合ってみんなで決める過程を大事にしています。
つくる料理が決まったら次は近くのスーパーへ買い出しに向かいます。みんなで出し合ったお金で必要な食材を購入します。予算内でちょっと良いものを買おうという子がいる一方で、少しでも節約して他の食材も買おうという子もいて、それぞれの個性が出るんですよね。
ボランティアのメンバーには料理上手な方もいて、とても頼りになるんです。ただ、大人数の料理は、普段と勝手が違うので大変です。時間をオーバーしてしまうことが多いですね。
(写真は実際に利用者とスタッフで調理した料理=ブリッジフォースマイル提供)
スタッフやボランティア、たくさんの支援の輪で運営

運営スタッフには、転職支援の仕事やスクールソーシャルワーカー、ユースセンターでの勤務経験がある人など、様々な背景を持つメンバーがいます。福祉とアートの融合をテーマに活動しているクリエイターもいて、実に個性豊かな顔ぶれです。
加えて、たくさんの社会人ボランティアの方々が一緒にB4S PORTあきばを支えています。常時15人ほどが日々の運営に携わっており、イベントの時には計30人くらいの方々が集まってくれます。
皆さん社会人で、会社経営者から民間企業で働く方、子育て経験のある人、児童養護施設で成長した方など背景も様々です。それぞれの個性を生かして、利用者の子どもたちに関わってくれます。このほか、物資や寄付金で協力してくださる企業や個人の方など、多くの方々の支えによって運営されています。
ボランティアのスキルアップ研修も随時実施しており、支援する側にとっても安心・安全に、子どもたちを支援できるように環境を整えています。
(写真は実際にあきばで活動するスタッフ=ブリッジフォースマイル提供)
団体の他の活動についても教えて下さい

B4S PORTあきばを運営するブリッジフォースマイルは、児童養護施設等で育った子どもなど、親を頼れない子どもたちが社会へ羽ばたく支援をするため、2004年に設立された団体です。巣立ち前から巣立ち後まで、すべての段階でさまざまなサポートを提供していることが特長です。
B4S PORTは、巣立ち支援事業の中心的な事業で、寂しいときや不安なときに「いつでも立ち寄れる居場所」を目指して活動しています。
このほか、高校3年生を対象に、暮らしに関する知識やスキルを学ぶ一人暮らし準備セミナー「巣立ちプロジェクト」や、セミナーに参加した際にもらえるポイントで、生活必需品と交換できる寄付仲介「トドクン」など、様々な支援を行っています。
B4SPORTを実際に利用する若者たちの声

B4SPORTには「いろんな大人がいるので、話したい内容によって違う相手に相談ができる」「施設を退所して一人暮らしをしている人も多く、そういう人たちの頑張る姿が励みになるし、自分も頑張ろうという気持ちになる」などの声が寄せられています。
実際に利用する大学生の男性は「誰かと話したいときだけでなく、ちょっと休みたいなぁ、疲れたなぁと思うときに、気分転換をしに来ます。同じような境遇の人達ばかりなので、自分のことを隠さずに安心して来られる場所は貴重だと思っています」と話します。さらに、「僕たちのような施設出身者や子どもたちのために活動してくれるスタッフやボランティア、支援者の方たちを見て、いつかは、僕も何らかのボランティア活動に参加したいと思っています。B4SPORTはそんな風に思わせてくれるきっかけになった場所です」。
利用者が前向きに取り組めるきっかけの場に
私たちが無理に背中を押すのではなく、ここでのサポートをきっかけに自ら一歩前に出てみようとしている姿を見ると、格段の喜びを感じますね。みんな、いろんなステージがあるので、仕事の面はもちろんですが、メンタル不調から一歩前に出る、ということだって、すごいことです。
その上で、ここに来ている子たちが前向きに取り組めるきっかけを、スタッフだけではなくて、利用者さんとか、ボランティアさんも巻き込んで一緒に作っていくことが醍醐味だと思います。
相談をきっかけに一緒に楽しい場所を作りましょう

B4S PORT あきばは、JR線と都営浅草線の浅草橋駅から徒歩約5分の場所にあります。火・木・土曜日の15時から20時(木曜は18時)まで開いています。
今現在苦しい思いをしている方はもちろん居場所を使ってほしいですし、あとは、お父さんお母さんや身近な大人の方との関係で、なんとなく苦しいとか、生きづらいという方もぜひ居場所に来てほしいと思っています。
みんなで場を作るということを大事にしているので、ここで課題を解決して、一緒に楽しい場所を作っていければいいと思っています。みなさんをお待ちしています。
(写真はお菓子づくりイベントの様子=ブリッジフォースマイル提供)