サポート紹介&利用者の声

SUPPORT 2024.12.24

~向き合う力は一人一人の中にある~
一般社団法人グリーフサポートせたがや

誰かへの力になり得るっていうことが本当に実感できる場所

グリーフを抱え続けることへの安心感をすごく持てるようになった

誰かの何かをどうにかしてあげるっていうよりも、
自分たちもグリーフを抱えて生き続けている当事者

集まって、話をするだけで共鳴しあえる場所

一般社団法人グリーフサポートせたがや キッズ&ティーンズファシリテータ ゆかぽんさん、まっき〜さん、あやのさん

グリーフサポートせたがやって?

 ここには身近な人、あるいは大切なものをなくしてちょっと1人では抱えづらいなと思った人が誰でも来られる場所です。

 ここでは、特に死別、お別れしたっていう子どもや大人が集まってグループを作っています。それをグリーフサポートプログラムと私たちは呼んでいるんですけれども、それが大人のグループ・パートナー死別のグループ、そして私たちがファシリテータをしているキッズ&ティーンズのグループがあって、そこは3歳から18歳までの人は来られて、その保護者も来られます。

私たちファシリテータは、そのキッズ&ティーンズのグループの時間を一緒に過ごす役割です。

グリーフって?

グリーフサポートせたがやでは、身近な人、そして大切なものをなくしたもの全てにグリーフがあるというふうに考えています。
これは死別だけじゃなくて、離別だとか、自分の安心できる場所がなくなってしまった。これは暴力のこともあったり、いじめがあったり、あるいは仕事を失ってしまった、就職活動がうまくいかない、あるいは自分の属性、人種とかセクシュアリティとか、障害があったりなかったりだとか、年齢だとかによる差別によって、自尊心だとか、自分の自信がなくなってしまう、あるいは奪われるって言っていいかもしれないですけど、そういうことも含めてすべて喪失体験であって、それに対する全身全霊での反応っていうんですかね、気持ちだったりだとか、体の中が痛くなったり、動けなくなったりだとか、身体的な反応も含めて、それを全てグリーフっていうふうに考えています。

それに加えて、将来の夢とか人生設計だとか、こんなふうに生きていきたかったのになっていうことがなくなる。それが持てなくなるっていうのも一つのグリーフというふうに考えています。

あとは、あいまいな喪失っていう言葉で言われるんですけども、さよならのない別れ、あるいは別れのないさよならっていうふうに表現されています。例えば、行方不明になってしまって、さよならが言えてない、どこかにいるかもしれない、でも会えないっていうような曖昧な中で生きていかなきゃいけない。
もしくは、自分が子どもの頃育ててもらったお父さん、お母さん、あるいは大人の人が、だんだんお互いに歳を重ねるにつれて、自分が頼りにするんじゃなくて、自分がしっかりしなきゃっていうふうな役割が変わっていくっていうことも、さよならのない別れや別れのないあいまいな喪失というふうに言われています。

もう1つ言うと、1つ何かがなくなった時に、それに付随していろんなことが変わっていきます。死別にしても1人の人がいなくなったら、その人との関係がなくなるわけじゃなくて、やっぱり役割が変わる。その人の代わりに自分が何をするとか、その人がいなくなったから経済的な何かがなくなるとか、周りから見ると1つの喪失に見えても、その人にとってはいろんなものがなくなっていったりもするので、本当に私たちが決めつけられないようなたくさんの喪失体験がそこにあって、全てのグリーフが関係しているというふうに考えています。

どういうプログラムがあるの?

 グリーフサポートせたがやには、大きく分けて3つの活動があります。
1つ目は個別相談。これは対面相談と電話相談があって、自分がしんどいな、ちょっと1人じゃ抱えづらいなということは何でも聞いてもらえるところです。年齢制限も全くないです。その方がちょっと話に行きたいっていう気持ちであれば、ご本人から申し込んでもらうっていうのが大原則で、それさえあればどなたでも来ていただけます。

2つ目がグリーフサポートプログラム。これは大人のグループ・パートナー死別のグループ、そして子ども。キッズ&ティーンズとその保護者のグループがあります。

3つ目が講演会とかワークショップ。これは連続講座をしたり、グリーフってこういうことですよとか、グリーフサポートの場がありますよとかそういうことを伝えたりするようなところです。

キッズ&ティーンズプログラムって?

 キッズ&ティーンズプログラムは、3歳から18歳っていう割と年齢の幅が広い方たちに参加してもらっているんですけども、月に1回の1時間半のプログラムで、最初と最後に始まりの輪と終わりの輪っていうのが毎回あります。

1番最初にみんなで集まって、ここは身近な人が死んだ子どもと大人が集まっている場所ですよっていうのと、それからここで過ごす時の安心安全のルールがあるので、それをみんなで確認します。
その後に自己紹介的な、今日呼ばれたい名前と好きな食べ物とか好きな動物とかっていうのをぐるっと言って、その後誰が死んだかっていうのをぐるっと言う時間があるんですけど、ルールの1番最初にパスルールっていうのがあるので、話したくないことは話さなくていい。「パス」って言えるし、やりたくないことはやらなくていいっていう、そういうルールがあるので、その中で最初に始まりの輪をやって、その後は1時間半の終わりの輪が始まるまで自由に過ごします。

自由にっていうのは、ここにあるもの、いろんなおもちゃだとかゲームだとか、あと絵を描いたり物を作ったりするような道具。それから火山の部屋っていうところがあって、火山の部屋では危なくないように、床や壁にクッション材があるので、当たっても痛くないところで大きいぬいぐるみで体を動かしたりとかっていうこともできます。

必ずファシリテータが一緒にいるっていうルールがあるので、ここにいるときは子どもが1人ぼっちで遊ぶってことはなくて、必ずファシリテータがそばにいるっていうことになります。

ファシリテータをやってみて

 このグリサポに出会って、グリーフを抱え続けることの安心感。何か抱えていけそうみたいな、そこの感覚はすごく持てるようになったなと思います。と同時に、ちっちゃかった自分がここに遊びに来られていたらどうだったかなとか思うことがあって。出会えるチャンスがある子には出会ってほしいなって思います。

ここの立ち上げから関わっているんですけど、みんなが自分が当事者だっていうところの思いが強いっていうか、みんな当事者なんですよね。なので、誰かの何かをどうにかしてあげるっていうのも、自分たちもグリーフを抱えて生き続けている当事者で、そういう人達が集まって、みんながここで話をするだけで共鳴し合える。誰かの話を聞くだけで自分の力になる。そのみんなの力ってすごいなと思ったんですね。

私の中にも力があるけど、私の言葉はこんなに弱っている人が誰かへの力になり得るっていうことが本当に実感できる。子どもからもすごく力をもらうし、こういう場所が本当に広がるといいなと思うし、こういう場所があるよってことがたくさんの人に届くといいなと思うし。1人じゃない。誰かがいるし、あなたの存在がそのまま誰かの力にもなり得るってことを本当にここで感じているので大切な場所です。

グリーフって、もともと多分、とても自分にとって大切なものと繋がっていることだと思うんです。自分にとってすごく大切なものがないから、グリーフって起こるし、だからしんどかったりもするけれども、でもその大切なものに対する愛しさとか恋しさとかっていう気持ちもそこにある。グリーフを経験したら、その後に大切なものを持つことが怖くなる。必ずなくなったりとか、お別れとかっていうことはあるので、だからちょっとそれが怖くなるなっていう気持ちもあったりします。
でも、だからこそ、大切なものを大切にしたい。サポコハウスに来てくれる人みんなが、こういう場所いいねとか私も欲しいねって思っていてくれると、この場所の力になると思うので、何かそういうことを感じたり、なくなるって考えるとすごく怖いけど、でもそういうふうに思ったりしました。

自分で選んできてくれて、ここで初めて来て、何か良かったかもって思う場所を見つけてくれるっていうのは、やっぱりその方自身の力だと思うし、これを見て何か感じるって思うこと、それをキャッチすることも、やっぱり1人1人の力だと思うし、そこからどうやってどういう方向に進むか、足を踏み出すのか、踏み出さないのか、それも今自分にとって何がいいかっていうのを感じて決めるっていうのは、1人1人が必ず持っている力なので、何かそれをすごく大切にしたいなって思っているし、皆さんも大切にしてほしいなって思っています。

動画をご覧のあなたへ

グリーフっていう言葉にぴんときたりとか、グリーフに何かちょっと関心があるとか、もしかしたら周りにいる方のことを心配しているかもしれないけど、でも必ずそのご自身の中にも、私たちみんなそうなんですけど、やっぱりグリーフを抱えながら生きている。

日々いろんな変化の中で、いろんなものをなくしたりしながら生きているので、自分の中のグリーフもまず大切にしてほしいなって思ったりします。誰かのために何かこうしてあげたいっていう気持ちもすごく大切にしつつ、でもそういうふうに感じている自分のことをどうやったら大切にできるかなとかっていうのも考えてほしいなと思ったりします。

もしこんな所があるんだよって興味を持ってくれたら、誰かに伝えたいなって思ってくれたら、一度ホームページを見たり、ここに足を運んでサポコラボに参加したりしてもらえるとより知ってもらえるので、何かヒントがあるかもしれないなと思ったりします。

一般社団法人グリーフサポートせたがやの「サポート」「居場所」を利用した方の声

「今日は楽しかった。自由にできたから(小学生)」
「本当はわたしが来たかったんだって気づきました(保護者)」
「ここに来たことではじめて親子でいっしょに泣けました(保護者)」

一般社団法人グリーフサポートせたがやHP

https://www.sapoko.org/