サポート紹介&利用者の声

SUPPORT 2025.01.29

~手放さない、今と未来~
一般社団法人ヤングケアラー協会

ヤングケアラーの問題って誰が悪いわけでも誰のせいでもないんですよね。病気とか障害を持ってしまう家族が悪いわけでもないですし。それをケアする子ども・若者が悪いわけでもないですし。
誰も悪くない問題なので、家族を責めないでほしいなって思うんですよね。

最善の道はないかもしれないですけどその中から選び取っていく、自分で納得して選んでいくってことが やっぱり自分らしく生きるってことだと思うので 、自分で納得して人生を歩んでいけるようにしたいなと思ってますね。

一般社団法人ヤングケアラー協会 代表理事 宮﨑 成悟 さん

ヤングケアラー協会って?

元ヤングケアラーを中心に構成している団体でして、多角的にヤングケアラー支援をしている団体でございます。
別の会社でヤングケアラー支援をしていたんですけど、元々僕がヤングケアラーでして、色んな課題があったりしたので、同じような境遇の人を支えたいという思いで活動してまして。それが株式会社だったんですけど、ちょっとコロナの影響もあって、その株式会社を畳んだんですね。
その時にちょうど母が亡くなりまして、その亡くなった時に何か自分にはケアをしてきて後悔がなかったなって思ったんですよね。なので、何か他のヤングケアラー達にもやっぱり後悔してほしくないっていう想いとかもあって。

ただ、僕だけでは全国にヤングケアラー支援を届けるのは難しいって思ったんですよ。そんな最中どうしたらいいかわからないっていう声が続々と来まして、僕に対して。であれば、全国の自治体さんも一緒にヤングケアラー支援をしていったらもっと広げていけて、その分多くの方を支えられるので、じゃあヤングケアラー協会っていうその中心となって旗を振る団体を作ろうと思って、立ち上げましたね。

どんな支援の取り組みがあるの?

▼ヤングケアラーズキャリアについて
ヤングケアラーのご相談って色々あるんですけれども、その中でも進路と就職に特化した相談窓口ですね。主にLINEで運用しております。
具体的な内容として、家族のケアによって仕事を辞めてしまったとか、仕事を辞めそうとか、どんな仕事に就いたらいいかわからないとか。やっぱり大人でもそうですけど介護と仕事の両立って、どっちも考えなきゃいけないので、すごい頭の中ごちゃごちゃになっちゃうんですよね。なので相談を受けるときは、家族のケアの問題っていうのと、自分のキャリアっていう問題を別々で棚卸しして、それを最後組み合わせていくみたいな相談を対応することが多いですね。

▼当事者向けミートアップについて
ミートアップはですね、ヤングケアラーとか、若者世代のヤングケアラーも含めてリアルで話し合えるような場づくりみたいなことをやっておりますね。
我々スタッフ側が過去の経験について語ったり、ざっくばらんに話し合うみたいなこともしますし、ゲームをやったりとか、ゲームというのも例えばボードゲームとか、あとはクイズとか、将来に向けて考えられるような真面目なワークみたいなことをやったりとか。そんな感じで、毎回ちょっと内容は違うんですけど、色んなことをやってますね。

▼オンラインコミュニティについて
 そのままオンラインでヤングケアラー、元ヤングケアラーが集まれるようなコミュニティを運営しておりますね。
イメージしていただきたいのが掲示板みたいな感じで、色んなお題のある部屋があって、そこの部屋に入っていくと話し合いたいテーマで話し合えると言いますか。そんな感じの掲示板みたいなものですね。  ヤングケアラーっていっても、色んなフェーズがあると思うんですよね。まだまだめちゃくちゃ佳境にいて、とりあえず入ってみようと思う方は、やっぱり悩みを聞いてもらいたいという人ですし、ちょっと支援者側にいるみたいな、自分の体験を語りたいみたいな人とか、同じような境遇の人と繋がりたいみたいな人は、イベントを紹介してもらって自ら繋がっていただくとか。なのでピアサポートっていう形で同じ当事者同士が支え合えるような感じなので、ただただ悩みを吐き出す場っていうよりは、ピアサポートの場って感じですかね。

どうして色々な支援をしているの?

ヤングケアラーってすごく個別性が高いといいますか、ヤングケアラーだからこれをやれば大丈夫みたいなものってあんまりない気がしてまして。なので結構、色んな選択肢があることが大事だと思ってるんですね。なので色んなことをやっているっていうのは(理由の)ひとつですね。

ヤングケアラー支援の難しさ

やっぱりヤングケアラーの問題ってそんなに簡単に解決できるようなものではなくて、そんな簡単に解決できるんだったら苦労しませんって話なので。
やっぱり社会資源が足りないとか。例えばですけど、家族が支援を拒否しているとか。割と追い詰められた状態にあると、すぐにそれをどうこうってわけにいかないので、結構長い間、長期間の支援が必要だったりするんですよね。かつ、その長期間支援が必要だと、どんどんどんどん相談者が増えていくんですよね。相談来て1、2年寄り添ってて、その間の間にも相談者ってどんどん増えるじゃないですか。そこの終わりのない支援といいますか、そこら辺が難しいと思います。

我々だけじゃなかなかできないこともあるので、地域でちゃんとヤングケアラーを理解して支えてくれる人を増やすとか、そういうことも同時進行でやっておりますね。

ヤングケアラーの力にどうしたらなれますか?

やっぱりまずは信頼関係を築くことが大事かなと思ってまして。全然関係性がない人からいきなり踏み込まれたら、大人でも嫌じゃないですか。なので最初は信頼関係を作っていくことが大事かなと思います。

あとはですね、関わる上で大事だなと思ってるのがヤングケアラーの問題って誰が悪いわけでも誰のせいでもないんですよね。病気とか障害を持ってしまう家族が悪いわけでもないですし、それをケアする子ども・若者が悪いわけでもないですし、誰も悪くない問題なので。家族を責めないでほしいなって思うんですよね。
僕の場合で言うと、例えば父親もいて、母もいて、母が病気だったんですけど、よく父親何してるんだみたいなことを言われることもあるんですけど、なんかそれを言われると、傷つくというか。
父は父で、その妻が重い病気になってしんどかったと思いますし。あとはSNSとかでもやっぱヤングケアラーっていうニュースの報道がされると、結構家族が責められるなっていうのを感じてるんですね。そこを責めないでほしいなって思います。なので、信頼関係を築くことと、家族を責めないことですかね。

支援を通してどう支えていくべき?

ヤングケアラーって本当に色んな課題を抱えている方がいると思うんですね。それぞれどうなってほしいかってまた違うんですけど、じゃあそういう個別性の高い方々をどう支えていけばいいかというと、やっぱり我々だけではダメだと思ってまして。
できることに限界があると思うんですね。例えばLINE相談とかも実際会うわけではないので、できることに限りがありますし、なのでその地域だったりとか自治体だったりとかで、よりヤングケアラーに理解を深めていただいて、みんなで支え合えるような社会にしないといけないと思ってるんですよね。
ヤングケアラーを支える人たちがたくさんいて、選択肢がたくさんある状態が望ましいなと思っています。

我々ヤングケアラーが自分らしく生きられる社会をつくるっていうビジョンの基に運営させてもらってるんですけど、やっぱり自分らしさって選択肢が多くないと自分らしく暮らせないと思うんですよね。
例えば自分が進む道が一本しかなかったとして、そこに行くしかないってなったら自分らしさ云々ではなくて、もうそうするしかないって話じゃないですか。でもそこに、5つも6つも道があったとしたら、最善の道はないかもしれないですけど、その中から選び取っていく。自分で納得して選んでいくってことがやっぱり自分らしく生きるってことだと思うので。
そういう選択肢を増やして、少しでもヤングケアラーが自分で納得して人生を歩んでいけるようにしたいなと思ってますね。

動画をご覧のあなたへ

ぜひお気軽に我々にご連絡いただければなと思います。

本当にどんなことでもいいと言いますか、結構相談に来る方って、自分がヤングケアラーかどうかわからないんだけどみたいな前置きをして相談に来る方が多いんですけど、そこら辺をもう気にせず相談に来ていただいていいかなと思います。
就職のこともそうですし、変な話、恋愛の相談でもいいですし、お住まいの地域にどんな支援があるかみたいなことでもいいですし、ただ話を聞いてもらいたいだけでもいいですし、それ全て含めてキャリアってことだと思うので、ぜひご相談に来てください。

一般社団法人ヤングケアラー協会の「サポート」を利用した方の声

「話を聞いてもらえて、気持ちが楽になりました。自分だけじゃないんだと思えました。」

一般社団法人ヤングケアラー協会HP

https://youngcarerjapan.com/