サポート紹介&利用者の声
SUPPORT 2026.10.27
~社会に出たこども達を引き続きサポートするために~
社会福祉法人子供の家 ゆずりは
東京都 国分寺市にあるアフターケア事業「ゆずりは」。
運営元の社会福祉法人子供の家は、「児童養護施設 子供の家」や「自立援助ホーム あすなろ荘」も運営しています。
児童養護施設や自立援助ホームを巣立ったあとなど、家族を頼ることが難しい人たちと、その後の暮らしを一緒に考えていく場所です。
個別相談のほか、何もしなくても過ごせる「ゆずりはサロン」、ジャム作りを通して働く「ゆずりは工房」、高卒認定資格の取得を目指す学習会など、さまざまな活動を行っています。
「自分の人生は、自分のもの」
ゆずりはが大切にしていること
「その先の人生の方が長い」
ベッキーさん:
私は当時 別の法人の児童養護施設の職員だったんですけど、うちの所長の高橋亜美が自立援助ホーム「あすなろ荘」の職員を9年ほどしていた中で、児童養護施設退所後に孤立を深める若者たちを見てきました。この先の人生で困らないように何とかしていこうと頑張っても、やはりその先の人生の方が長いんです。
家族を頼れない中で、一つのつまずきが、その人一人では抱えきれないほどの問題に膨らんでしまうことがあります。
そうした中で、年齢で児童養護施設を退所した人たちが頼ることのできる、心のよりどころとなれる場所をつくりたいという思いで、社会福祉法人子供の家の『ゆずりは』が立ち上がったのが、2011年です。
自立って言われると、圧迫感を感じる
ベッキーさん:
『自立』という言葉には、私は少し圧迫感を覚えます。
自立というと、自分のことは自分ですべてやるようなイメージがありますが、私たちが考える自立はそうではありません。
持ちつ持たれつというか、みんながそれぞれ頼り合いながら、自分の暮らしや生活を成り立たせていく。それが自立だと私たちは考えています。
相談に来られる方の中には、自分の人生を自分のものとして生きることを、なかなか許されない環境で育ってきた方も多くいます。
そうした方が、『自分の人生は自分のものなんだ』と思えるようになること。
とても先の目標かもしれませんが、そこを目指し、見据えながら関わっていけたらと思っています。
まずは、安心して気持ちや状況を伝えてもらう ~ 個別支援 ~
ベッキーさん:
誰にも言えないまま『何とかしなきゃ』と抱え込み、借金が膨らんで、どうにもならなくなってしまった方や、家を追い出されそうな方、しばらく住まいがなく困っている方など、さまざまな状況の方が相談に来られます。
まずは、安心して気持ちや状況を伝えてもらうことを大切にしています。
その上で、『こういうサービスがあるよ』『今はこういうことができそうだけど、どうする?』と一緒に考えながら、その人自身が選んだことを全力でサポートします。
それが、個別相談で行っていることの中心です。
何もしなくても、そこにいていい ~ ゆずりはサロン ~
詠子さん:
ゆずりはサロンは、毎週水曜日の午後1時から5時まで、開いています。
お茶やお菓子を用意して、みんなで集まっておしゃべりをする空間です。
何か特別なことをする場所ではありません。
何もしなくても、ただそこにいていい空間です。
何かを解決する必要も、困りごとを持ってくる必要もありません。
ただ、『あなたがそこにいてもいい』という場所として、毎週開催しています。
ただそこにいていい場所は、そんなに多くないと思います。
実際に、ここに来て寝ているだけの人や、お昼を食べて帰る人もいます。
みんなで少しずつ『安心』を持ち寄っている。そんな場だと思っています。
「ここだったら働けるよね」と思える場所に ~ ゆずりは工房 ~
詠子さん:
ゆずりは工房は、毎週木曜日の午後1時から4時まで開いています。
3時間働ける気力と体力があり、『働きたい』と思う人たちとジャムを作っています。
働くことはとても大切ですが、子どもの頃から人間関係で傷ついた経験があるなど、さまざまなダメージを抱えてきた人にとって、他人と一緒に働くことは、とてもハードルが高い場合があります。
そうした痛みや苦しみを背景に持っているかもしれない人たちが集まり、みんなで安心を育みながら、『ここだったら働けるよね』と思える場所をつくっていきたいと考えています。
ここに来れば自動的に安心できるのではなく、みんなが少しずつ安心を持ち寄り、育みながら一緒にジャムを作る場所です。
作ったジャムを誰かに『おいしい』と言ってもらい、それを売っていく楽しみも、みんなで感じながら活動しています。
結果を求める会ではない ~ 高卒認定資格取得学習会 ~
ゆうじさん:
前は最終学歴が中卒のまま働いて、働きながら高卒認定資格取得を目指す方々が多くいました。
そうした方々が施設を出たあとにも勉強し、高卒認定資格を取得できる機会があれば、という思いから始まった事業です。
学習は、大学生のボランティア講師に来ていただいて教えてもらっています。
基本はマンツーマンで、分からないところを中心に教えています。
本人とやり取りしながら、一人ひとりの状況やレベルに合わせて進めています。
ゆずりはの学習会は、基本的に結果だけを求める会ではありません。
例えば、参考書や教科書の1ページを理解するために、その週の学習時間をすべて使っても大丈夫です。
本人が納得するまで教えることを、とても大切にしています。
資格を取るまでに1年、2年かかっても構いません。
本人が『できる』『やりたい』『続けられる』と思ったときに来て、取り組んでもらえればいいと考えています。
そうした本人のペースを大切にしています。
行きつ戻りつしながら、気づいたら進んでいる
ベッキーさん:
長年お付き合いしている方もいますが、やはり『行きつ戻りつ』なんです。
一般的には、何かが元に戻ることを『ダメになった』『マイナスになった』と捉えることが多いと思います。
でも、戻るときには、その人なりの理由、戻らなければならない理由があるのだと思います。
行ったり来たりしながらでも、気づいたら前に進んでいることがあります。
気づけば、見える景色が変わっています。
進み方も、まっすぐである必要はありません。別の道を見つけたら、そちらへ進んでもいいと思います。
周りからは『また戻ってしまった』ように見えることもあります。
でも私たちが大切にしているのは、そうは見えなくても、それが今のその人にとってのベストなのだと考えることです。
その人にとって、今はそれが必要な選択だと思っています。
声をかけることもあれば、あえてかけないこともあります。オープンにして待つことも大切にしています。
その『行きつ戻りつ』の時期も、なるべく心は隣にいるようにしながら関わっていけたらと思っています。
覚悟を決めて来るところではない
ゆうじさん:
ゆずりはの学習会は、時間がどれだけかかっても、合格まできっちりサポートする学習会です。
利用する方のレベルに合わせて丁寧に教えています。興味がある方、高卒認定資格を取りたい方は、ぜひご連絡ください。
詠子さん:
ゆずりはは、『参加しよう』『利用しよう』としっかり覚悟を決めて来るような場所ではありません。
『ちょっと見て、お茶を一杯飲んで帰ろうかな』というくらいで大丈夫です。
そんな気軽な気持ちで、何か少しでも引っかかるものがあれば、顔を出してもらえたらと思います。私たちはここにいます。
ベッキーさん:
完璧なスタッフなんて、一人もいません。
一見すると、ちょっとちゃらんぽらんで、ふざけているように見えるスタッフたちかもしれません。
緊張せず、もし迷っているようなら、ぜひ一度コンタクトを取ってみていただけたら嬉しいです。
